再発リスクが高く、
歯を失う
大きな原因となる疾患
Major cause
of tooth loss
歯周病の発症には、口腔内細菌の増殖や歯にかかる過度な力など、様々な要因が関わっています。一般的に知られているのは、歯と歯茎の境目に付着したプラークや歯石に含まれる細菌が引き起こす歯肉炎です。歯茎が赤くはれていたり、歯磨きをする時に歯茎から出血したりする場合は、歯肉炎が起こっています。
また、歯並びや噛み合わせが悪い場合には、一部の歯に力が集中して歯周病の進行を早めている可能性があります。
CHECK 歯周病チェックとリスク検査
歯周病のセルフチェック・
唾液検査のご紹介
- 歯磨きをしている時に
出血することがある - 歯茎が赤くなり、腫れている
- 口臭を人に指摘さている
- 歯と歯の間に隙間ができる
- 歯が長くなってきたように感じる
- 歯がぐらぐら揺れる
- 硬いものを噛むと痛みがある
サリバチェック
ラボを用いた歯周病原細菌検査
『サリバチェック ラボ』とは、歯周病リスクを調べる唾液検査のキットです。患者さまの歯周病減細菌の種類を調べることで、科学的根拠のある歯周病治療が行えるようになります。検査は無味無臭のガムを噛んで、ガムと唾液を紙コップに出して頂き、それをチェックセンターへ送ることで完了するという簡単なものです。
DISEASE 歯周病と全身疾患の関係
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糖尿病
歯周病は生活習慣病の一種で、糖尿病の合併症の一つでもあります。近年の研究では、糖尿病の方は歯周病を患っている方が多く、その反対に歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという、相互関係があることが判明しています。
歯周病菌がまき散らす内毒素が血糖値へ悪影響を及ぼしていることから、歯周病治療を行うことが必然的に糖尿病も改善することも分かっているのです。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直して、歯と全身の健康を守っていただきたいというのが、当院の考えです。 -
血管障害
心臓疾患や脳血管疾患などの血管障害は、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)内に含まれる、嫌気性菌が多くなることで引き起こされます。嫌気性菌が歯肉を攻撃して身体の免疫と戦うことで、歯肉炎が発症し歯肉の腫れや歯磨き時の出血につながるのです。
炎症が長引くと嫌気性菌が出す毒性物質や、歯垢そのものが歯肉の血管内に入り込み、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など命に関わる様々な障害を引き起こします。 -
早産・低体重児出産
妊娠中は女性ホルモンが月経時の10倍~30倍にもなるといわれており、特に妊娠中期から後期にお口のケアがしっかりできていないと、『妊娠性歯肉炎』が起こりやすくなります。その結果、血管障害と同様に血管内へ歯周病細菌が入り込み、胎盤を通して胎児に感染することで、早産や低体重児出産の原因になるのです。
タバコやアルコールの接種以上の危険率があり、元気な赤ちゃんを産むためには、妊娠前からの歯周病予防が重要だと考えられています。 -
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物などが誤って気管や肺に入り込むことで発症する、肺炎の一種です。口腔ケアが不十分で口腔内細菌が増殖していると、誤嚥したものと一緒に細菌が入り込むのです。
通常はせき込むことで予防できますが、高齢になってお口周りの機能が衰えると、むせても気管や肺へ異物が入るのを防げなくなります。 -
認知症
歯周病によって歯を失う本数が多いほど顎の骨から脳へ刺激が伝わらず、認知症を発症しやすくなると判明しています。また、アルツハイマー型認知症の原因物質であるタンパク質の一種のアミロイドβは、歯周病菌によって増加するという研究結果も出ているようです。毎日の歯磨きと定期的な歯科健診により、歯周病リスクの低下に努めることが、認知症予防につながります。
歯周病の治療法をご紹介
SCALING スケーリング
先端の細いスケーラーと呼ばれる器具を用いて、歯の表面に付着した歯垢・歯石を取り除く予防処置をスケーリングといいます。歯周病細菌を口腔内から取り除くことで歯肉炎および歯周炎を予防・改善し、症状進行を食い止める歯周病治療の基本です。歯石は歯磨きで取り除けないため、定期的に歯科医院でスケーリングを受けてください。
PMTC PMTC
PMTCは、P=プロフェッショナル(歯科衛生士・歯科医師)、M=メカニカル(機械的)、T=トゥース(歯)、C=クリーニング(清掃)を略した言葉です。口腔ケアのプロフェッショナルが専用の電動ブラシに研磨剤をつけて、歯の表面を磨き上げてツルツルにします。細菌だけでなく着色汚れも落ちるため、人によっては歯がワントーン白くなります。さらに、歯の表面が滑沢で汚れが付きにくく、虫歯や歯周病予防にも役立ちます。
SURGERY 歯周外科
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フラップ手術
歯周病が重症化して、毎日の歯磨きと定期的なスケーリングでは改善が見込めない場合に、選ばれる治療の一つがフラップ手術です。歯肉の炎症によって歯と歯茎の溝(歯周ポケット)が深くなり、歯の根の深い部分にまで入り込んだ細菌や食べかすなどを、歯茎を切って歯の根を露出させることで、目で見て確認しながらお掃除します。
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歯周再生治療
慢性的な歯周炎によって溶けた歯槽骨を、リグロスやエムドゲインなどの薬剤や人工骨を用いて再生する治療法です。患者さまのお身体の状態により歯周組織の再生スピードや治療の成功率は異なります。しかし、成功すると歯の寿命を延ばすことができるという、大きなメリットがあります。
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歯肉切除術
炎症によって歯茎が肥大すると、歯との間の溝が深くなって歯垢や歯石、食べかすなどが入り込みやすくなり、歯周病治療が難しくなります。その余計な歯肉をメスで切り取るのが、歯肉切除術です。歯周病の慢性化によって全身疾患へ悪影響を与えるリスク抑えるために、歯磨きでしっかりとケアできる口腔内環境を作りましょう。
TBI TBI
TBIはT=トゥース、B=ブラッシング、I=インストラクションを略した言葉で、歯のブラッシング指導を指します。国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士など口腔管理のプロフェッショナルが、患者さまの歯並びやお口の環境に合った歯磨き方法を、分かりやすく丁寧に指導いたします。
当院で取り扱っている
骨再生療法
リグロス
リグロス(トラフェルミン)は保険診療の歯周組織再生療法で、「bFGF」というタンパク質が主成分の薬剤です。骨や筋肉の細胞を増殖・分化を促し、新たな血管を作り出す効果があり、歯茎や歯槽骨を自然な形で回復できます。患者さまのお身体の状態によって組織を再生するスピードや成功率が異なりますが、治療が成功すれば歯周病による抜歯を回避することが可能です。
エムドゲイン
エムドゲインは自由診療の歯周組織再生療法で使われる薬剤です。「エナメルマトリックスデリバティブ」と呼ばれる豚の歯胚組織から作られたタンパク質が主成分で、歯根へ塗布することにより歯が生える時と同様の環境が再現され、歯槽骨を再生する効果があります。歯がぐらぐら揺れる重度の歯周病の治療に用いられ、抜歯までの期間を大きく引き伸ばすことができます。